今の若い世代では、声の仕事に憧れて、声優を目指す方が大変多いです。
この方々に、僕から言えることは、
「声だけだから簡単だわい」
と思わないで欲しいなーという事がまず第一です。
声優を志すならば、やはり芝居から入ってほしいと思います。
いかにして人間像を自分なりに作り上げていくか。
その辺の一つ一つの作業を基礎からきちんと積み上げて、自分で肉体化していくということがまず基本にないと。
声だけで入ってくると、どうしてもその辺が抜け落ちてしまうんです。
新劇の役者さん達が、このごろの吹き替えの世界を席巻してきているということに対して、
声優として純粋に育ってきた人たちは、何か危機感を感じなければならないと思う。
そういう意味で、新しく仕事に入る人は、やはり基本的人間像をどうやってつくっていくのか。
そこのところをがっちりと固めてから入っていただくのが一番いいのではないかなと思います。
自分にとって、声優とはなにか?
自問自答してみました。
声優とは、言ってみれば、僕が一生かかって、これにしかなれなかったものです。
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