テレビや映画でもおなじみの小島 聖さんと、劇団「燐光群」の宮島千栄さんの、女性二人芝居でした。
一人芝居とか二人芝居って、面白いと思えるものがなかなか無いのですが、同世代の女性の二人芝居って、あんまり観た事がなかったので、ちょっと興味を持って観に行きました。
ところが、蓋を開けてみると、今回のお芝居は結構良かったです。
小島 聖さんは、映像で活躍している女優さんという印象がありますが、2003年の新国立「ゴロブリョフ家の人々」では、すごくいいお芝居をしてらっしゃって、それ以来、注目していました。今回も、筋金入りの舞台女優である宮島千栄さんに一歩も引けを取らないしっかりとした芝居で、また、一方の宮島千栄さんも、骨太な女兵士と言った感じで、眼がとても印象的な女優さんでした。二人共にすごくパワフルな演技を見せてくれていました。
1場:「雪山序景」は浅間山山荘事件の連合赤軍・指導者・永田洋子を連想させる過激派の女と総括を強要されている同志。
2場:「運動場」は本来のトライアスロンに、鉄棒の逆上がりなどの変な種目が加わった架空のスポーツのオリンピック強化選手とその付き人。
3場:「会社員」は、1場の過激派の女らしき二人が身分を偽って会社に潜り込んだOL。
4場:「団地の殺意」は夏祭りの日、和歌山の毒物カレー事件の犯人らしき女と、整形して全国を逃亡して時効直前に逮捕されたホステス殺人犯人を思わせる女。
5場:「お屋敷」はお譲様とお手伝い。
6場:「火星」は宇宙飛行士に選ばれて、火星に到着したと思い込んでいる、元TVリポーターと元女優
7場:「都市の戦場」と、8場:「雪山終景」では、再び、二人の女兵士。
雛壇になっている客席が Vの形になっていて、そのVの中が舞台なんですが、その舞台中央にそそり立つロケットのような、塔のような、モニュメントも、斬新かつユニークで面白かったし、あちらこちらに蓄光が張られていて、幕間の暗転時にそこここで輝く蛍のようなほのかな光が美しかったです。
でも、シンプルな舞台美術ののセンスのよさや、二人の熱演と裏腹に、お客さんの入りがいまいちだったことが、ちょっと残念だったかなあ。 |